『トゥルー・ロマンス』(1993年)

監督:リドリー・スコット 脚本:クエンティン・タランティーノ

出演:クリスチャン・スレーターパトリシア・アークエットデニス・ホッパークリストファー・ウォーケン

監督はリドリー・スコットだが、タランティーノが脚本を書いてるせいか、タランティーノ映画の一つのように見なされている映画。確かに、ラスト以外は随所にタランティーノらしさが表れていて、独特の魅力ある世界になっている。

演技派の曲者俳優がたくさん出演している映画だから名場面はいくつもあるが、その中でもC.ウォーケンとD.ホッパーが緊迫した競演を見せる約10分間のシーンは、出色の出来映えだ。YouTubeのWatchMojo.comがウォーケンの名演技(キャラクター)ベストテンを選出しているが、この映画でウォーケンが演じるヴィンセンツォは5位だ。この映画全体は120分ほどあり、その中で、ウォーケンの出演部分はこの10分間だけということから考えると、いかに強烈な場面であるかが分かる。

ウォーケンの演技を見てていつも思うのは、セリフを言っていないときの表情の良さだ。この場面では、後半はホッパーが長々と話し、それにウォーケンが耳を傾けている場面が続くが、その時のウォーケンの表情が絶妙だ。とにかく、ウォーケンの表情を見ているだけで飽きないし、引きつけられる。

この場面は、向かい合ったウォーケンとホッパーを交互に映すため、片方の表情を捉えている時には必然的にもう一方は後ろ姿になる。おそらく細かいカットを繰り返して撮影していると思うのだが、フィルムのつなぎ方がとてもうまく、10分間の連続した場面のように見える。ウォーケンの手の動きや身体の傾げ方などをつなぎ目に持ってくることで、まるで一回で撮ったように見える。

見どころ①とにかく最初の場面から、ウォーケンの表情が絶妙。瞼の微妙な動き、顔の傾げ方、そして笑顔。ほとんど可愛いとさえいえるような愛嬌ある笑顔が一転して冷酷な顔に変化するところも見事だ。

見どころ②ウォーケンの顔面の皺。1943年生まれだから、おそらくまだ50歳前に撮影したと思うのだが、笑顔の時の皺の入り方が、かなりすごい。やはり欧米人は乾燥肌なのだろうか。ウォーケンは顔に肉がついていないぶん、皺が出やすいのかもしれない。

ついついウォーケンばっかり注視してしまうが、D.ホッパーの演技も素晴らしい。共にアクターズ・スタジオ出身であり、カルト・ムービーのカリスマ俳優的なイメージも共通している。タイプはまったく違うが。ヴィンセンツォの手下役を演じるジェームズ・ギャンドルフィーニの、残虐さを漂わせた表情もすごくいい。

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